語ることなく、馴染む。プロダクトデザイナー・Kunihiko Nakata
東京を拠点にNAKATA KUNIHIKO DESIGNを営むKunihiko Nakata。家電ベンチャーでの製品開発を経て独立——消費電子機器から文具・日用品まで、企画から量産・販売までデザインを軸に支える。

東京。インダストリアルデザイナー・Kunihiko Nakata(中田邦彦)。2017年、NAKATA KUNIHIKO DESIGNを設立した。消費電子機器、日用品、パッケージ、グラフィック——工業デザインを中心に、企画からブランディング、量産、販売に至るまでを一貫してサポートする。
2010年から2014年まで工業デザイン事務所に勤務。家電から文具、日用雑貨まで幅広い製品デザインに携わった。2015年、家電ベンチャーのCerevo Inc.にプロダクトデザイナーとして入社。同年、UPQ Inc.でもChief Product Designerを務め、自社製品の製造開発と新規事業の立ち上げを経験した。
DMM.make AKIBAの会員インタビューでは、モノづくりの拠点としてのコワーキングスペースでの活動も紹介されている。製品単体だけでなく、ブランド全体を見据えたデザイン——それが、中田邦彦の仕事の輪郭だ。
NAKATA KUNIHIKO DESIGN——企画から販売まで
製品の先に、体験がある。
NAKATA KUNIHIKO DESIGNは、デザインとコンサルティングを総合的に提供するスタジオだ。消費電子機器、日用品、パッケージ、グラフィック——フィールドを横断しながら、工業デザインを軸に据える。
製品単体の造形だけでなく、ブランディングまで含めた支援が特徴だ。企画段階からデザイン、量産、販売に至るまで——クライアントのプロダクトが市場に出るまでの道のりを、デザインの視点でつなぐ。
東京を拠点に、国内外のクライアントと協働する。ポートフォリオには、オーディオ機器、カメラ、家電コンセプト、文具——年を重ねても、形の合理性と使う人の手触りを同時に追い続けている。

ベンチャーで、量産まで
Cerevo Inc.——IoTやウェアラブルで知られる家電ベンチャー。UPQ Inc.——スマートフォンやモバイルアクセサリのブランド。中田邦彦は両社でプロダクトデザイナーとして、自社製品の製造開発と新規事業の立ち上げに関わった。
ベンチャーでの経験は、コンセプトから量産までの短いサイクルを体感させた。デザイン案がそのまま工場の図面になり、箱に入って店頭に並ぶ——スピードのなかで、造形の判断が試される場だった。
2017年の独立以降、その経験はスタジオの強みになっている。クライアントのフェーズに応じて、構想段階のビジュアライズから、量産を見据えたディテール設計まで踏み込む。


Relaxsync——語ることなく、馴染む家電
Relaxsync——2024年、DESIGNTIDE TOKYOでのセルフプロジェクト。コンセプトは「語ることなく、馴染む家電」。スマートフォンやリモコンを積極的に操作してコンテンツを選ぶことから離れ、より自然にくつろいだ状態で映像や音楽を楽しむ——次世代家電の可能性を探求する展示だ。
20面体のスマートリモコンは、転がすことでジャンルを選び、回転させることで作品を切り替える。直感的で感覚的な操作が、思いがけないコンテンツとの出会いを生む。顔を追跡して特定の人にだけ音を届けるスピーカーは、同じ空間にいる他者への配慮を組み込んだ、個別のリスニング体験を提案する。
白黒で書くノート、ラタンのディフューザー、Picklestone——日用品の領域でも、使う人の手と暮らしのリズムに寄り添う造形が続く。家電も文具も、生活のなかに静かに溶け込むプロダクトを、Kunihiko Nakataは描き続けている。

日用品——手に馴染む形
「白と黒で書くノート」——モノクロの世界観に合わせたノートデザイン。Black Hole Recorder、REIKUN-Dome、TEEN Circle——名称からも、物語や遊び心が感じられるプロダクト群だ。
drop Music Player(2013)——細身の携帯音楽プレーヤー。DSP-050EX、オーディオとカメラ、家電——カテゴリを越えて、一貫した造形言語が作品をつないでいる。
DribbbleやInstagramでは、スケッチとプロトタイプ、完成品のビジュアルが発信されている。デザインの過程そのものを見せる——それも、NAKATA KUNIHIKO DESIGNの仕事の一面だ。

PROFILE
Kunihiko Nakata
インダストリアルデザイナー|NAKATA KUNIHIKO DESIGN
2010年より工業デザイン事務所勤務。Cerevo Inc.、UPQ Inc.を経て2017年NAKATA KUNIHIKO DESIGN設立。消費電子機器、日用品、パッケージ、グラフィック。企画から量産・販売までデザインを軸にサポート。東京在住。