撮る、つなぐ、街に根を下ろす。福岡のフォトグラファー・中村紀世志

福岡を拠点に活動するフォトグラファー・中村紀世志(Kiyoshi Nakamura)。ポートレートから物件撮影、Airbnbの宿泊施設700件超、大牟田市動物園公認フリーペーパー『KEMONOTE』、家族写真のアトリエ「写真室Yeti」——「kiyoshimachine」という名で、写真を街と人のあいだに置き続けている。

福岡市在住のフォトグラファー・中村紀世志(Kiyoshi Nakamura)。石川県出身で、いまは福岡を中心に撮影の仕事をしている。アーティスト名として「kiyoshimachine」を名乗り、ポートフォリオやSNSではその名前で作品が蓄積されている。

雑誌やWebの取材撮影、企業のコーポレートサイトやブランディングに関わる撮影——仕事の幅は広いが、軸は一貫している。人の顔、暮らしの手触り、街の空気。写真は、そこにいる人の温度をそのまま残すものだと考えている。

2015年からAirbnbと契約し、福岡の民泊・宿泊施設を700件以上撮影してきた実績がある。物件写真というジャンルでありながら、彼の写真には「住む人の視点」がにじむ。それは、ポートレートや地域の記録へと自然につながっていく。

kiyoshimachineという名前で

ポートレートと、暮らしの記録。

中村の仕事は、ポートレートと物件撮影を中心に広がっている。人物の表情を丁寧に捉えることと、空間の光や質感を正確に写すこと——どちらも、見る人がその場所に立っているような感覚をつくるために必要だ。

Airbnbとの長期契約は、福岡の街の断面を撮り続ける仕事でもある。部屋の一角、窓から見える景色、使い込まれた家具の手触り。観光客が泊まる場所を、住む人の目線で記録していく。

受賞歴も重なる。Photoback Awardを複数回受賞し、2020年にはグランプリ。2011年にはKYOTO PHOTO AWARD特別賞。写真コンテストの歴史は、彼が「一枚の完成度」に向き合い続けてきた証でもある。

ズンドコ写真館
ズンドコ写真館(Photo: Kiyoshi Nakamura)
ひさやま広報
ひさやま広報 2023.10(Photo: Kiyoshi Nakamura)

KEMONOTEと写真室Yeti

2015年、大牟田市動物園を勝手に応援するフリーペーパー『KEMONOTE』を創刊した。2016年には日本タウン誌・フリーペーパー大賞 新創刊部門最優秀賞を受賞。動物園と街をつなぐ紙として、いまも発行が続いている。

家族写真の撮影イベント「ズンドコ写真館」を随時開催し、2022年4月には福岡市南区大橋に「写真室Yeti」をオープンした。Studio Yeti——家族の日常を、自然体のまま残すための場所だ。

Instagramでは、仕事の合間に撮るお子さんの写真も随時更新している。プロとしての精度と、父親としてのまなざしが、同じアカウントの中で静かに共存している。

PayPayの撮影
PayPay(Photo: Kiyoshi Nakamura)
中村紀世志の作品
Portfolio(Photo: Kiyoshi Nakamura)

東彼杵と、くじらの髭

2014年の「写真による地域おこしプロジェクト」で長崎県東彼杵町を訪れて以来、中村はその土地を何度も撮り続けている。くじらの髭(Sorrisoriso)のメンバーとしても活動し、町の人、工房、茶、宿——東彼杵の断片を記事と写真で届けている。

本人は、東彼杵を「第二の故郷」と呼ぶ。福岡より友達が多い、と笑いながら語るほど、撮影は土地への滞在と不可分になっている。

写真は、観光地を飾るためだけのものではない。人が集まり、暮らしが続き、記憶が積み重なる場所に、何度も戻って撮る。中村の仕事は、その「戻る」という行為そのものだ。

PROFILE

中村 紀世志(Kiyoshi Nakamura)

フォトグラファー|Studio Yeti / kiyoshimachine

福岡市在住。石川県出身。ポートレート・物件撮影を中心に、雑誌・Web・企業ブランディングの撮影を手がける。Airbnb契約 photographer(2015〜、福岡700件超)。大牟田市動物園公認フリーペーパー『KEMONOTE』制作。2022年、福岡市南区大橋に「写真室Yeti」オープン。Photoback Award 2020グランプリほか受賞多数。

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